事例

sitateru CLOUDの「マッチング機能」や「生地・附属管理購入機能」は、少数精鋭ブランドのアイテムづくりの環境を変える

TENDER PERSON

アパレルブランドの運営


TENDER PERSON(テンダー パーソン)

https://tenderperson.com/


アパレル事業部
デザイナー ビアンカ 様
デザイナー ヤシゲ ユウト 様

目的

  • ワークフローのデジタル化が、実際の業務工程において効率化できるかを検証する
  • sitateru CLOUDの「マッチング機能」を活用し背景工場を拡充したい

結果

  • クラウドシステムはSNS感覚でスムーズに導入できた
  • マッチング機能を活用して成立した工場との取引は、スムーズに制作の進行ができた
  • デザイナーにとってワークフローのデジタル化は、バックオフィス業務の負担軽減になり生産性があがった

利用サービス

ワークフローのデジタル化は、取引先工場の選択肢が増えるだけでなく、クリエイティブワークをサポートする力になる

ブランドのコンセプトと世界観

「TENDER PERSON」は、今年(2022年)に9年目を迎えるブランドです。

「時代感や空気感を追及しながら、自分たちのフィルターで切り取った東京の今が伝わる自由な洋服作りを目指す」というブランドのコンセプトは、立ち上げ時から現在まで変わっていません。

結果的に私たちの作るアイテムは、国や人種・性別などボーダーレスな世界観が生まれ、最近国内では「海外のアーティストブランドのようだ」という評価もいただいており、大変うれしく思います。

10回目のコレクションまでは自己紹介の意味も含めて、私たちの好きなデザインを発表してきましたが、コロナ禍で環境が一変したことも大きく影響して、コレクションをひとつの作品としてテーマを掲げ、創作していくことになりました。

コロナ禍の創作活動で自分と向き合う時間が多くなる中、浮かび上がってきたキーワードが『アンビバレンス・バランス』です。

そもそもTENDER PERSONという1つのブランドには、2人のデザイナーが共存しています。

そして洋服作りにおけるそれぞれの個性が交わる時の、相反する価値観や感情に対して、バランスを保ち折り合いをつけながらクリエイティブに取り組んでいます。

そこには常に『アンビバレンス』な関係性が存在します。

またそれは、この複雑化する社会の中で「相反する両面の価値」にどう向き合うか、という大きな社会的テーマにもつながってくると感じています。

2021年SS・AW、そして2022年SSも引き続き『アンビバレンス・バランス』というテーマで、コレクションに取り組んでいます。

前回のコレクションで、「ロックスター」と「オタクカルチャー」というデザインモチーフが、ブランドの中で共存していたこともある種の『アンビバレンス・バランス』です。

また、私が個人的に好きな真逆な色使い(補色)を多用することやメンズの生地にレースの素材などを用いるデザインにも、そのテーマが反映されていると思います。

多様な価値観を受け入れる海外に向けて、自分たちの表現を発信していきたい

ブランドの今後は、商業的な意味合いをできるだけ考えないで、純粋に私たちの作品を世界に向けて発信したいと思っています。

パリに視察に行った時にも強く感じましたが、海外のファッション業界は、国籍や人種、性別、キャリアにとらわれない多様性な考え方で評価されています。

一方国内の市場では、TENDER PERSONは「ストリートブランド」というカテゴリーで括られてしまうことが度々あります。

それが少し窮屈に感じることもありますので、そのような捉え方に縛られることのない海外で自由に表現活動ができればと思っています。

身近に感じていなかったクラウドシステムだったが、試してみるとSNSの感覚でスムーズに導入できた

シタテルには、以前アイテムの生産依頼をしたことはありましたが、アパレル業界の業務効率化におけるシステムを提供している会社という認識はなく、クラウドサービスの案内をもらった時に、このようなサービスを展開していることに驚きました。

また、私たちのような少人数で仕事をしている職場ではクラウドでDXを推進するということを身近に感じていなかったこともあり、操作がむずかしそうで「使いこなせるのか」と懐疑的でした。

しかし、導入してみると操作はとても簡単で、自分たちの仕事の流れに沿って、クラウドが寄り添っているイメージで、驚くほど簡単に利用することができました。

普段プライベートで使っているSNSと同じような感覚ですぐに使い慣れました。

sitateru CLOUDの「マッチング機能」で工場探し

2月に行った2022年AWコレクションのファーストルックで使用したコートは、sitateru CLOUDの「マッチング機能」を活用して、新規で取引した工場で制作しました。

この「マッチング機能」は、こちらの希望する仕様や取引条件を入力すると、sitateru CLOUDに登録されているサプライヤー(約1700社登録:2022年5月時点)へ情報発信される仕組みです。

今回は、私たちの希望する条件に合う工場2社から申し込みがあり、そのうち1社の工場と取引を行いました。

初めて利用する工場のため、若干の不安もありましたが、納期・コスト・品質において、とても満足できる取引ができました。

当然、登録されている工場は、sitateru CLOUDを使いこなしているので、システムを利用したアイテム生産をスムーズに進行できました。

ビジネスコミュニケーションは「対面型」から、時間と空間に縛られない「クラウドの情報共有型」へ

利用して便利だと感じたことは、生産過程でチャット形式の連絡履歴がリアルタイムで閲覧できること。そして、仕様書をはじめ資材の配送スケジュールの情報を工場と共有できることです。

これらの情報を画面上で管理・共有しながら生産が進み、担当者とは顔合わせはおろか1回も電話することなく制作は完了しました。

事前の打ち合わせや電話の確認が不要だったため、システム内のやりとりだけでこちらの意図した製品が完成することができるひとつの証明になりました。

また、これまでのアイテム生産は、工場の担当者と顔を合わせたコミュニケーションが必要という認識がありましたが、それはある意味思い込みで、もしかしたら必要な情報の交換と共有さえできれば、お互いプロであるため、オンライン上のコミュニケーションだけでも、ものづくりは可能なのかもしれないと感じました。

生産工程がデジタル化されると、ストレス減り生産性が上がる

sitateru CLOUDを利用して、アイテム生産過程におけるストレスが減ったことを実感しました。

これまでは、電話やメール・LINEなどのコミュニケーションツールを活用しており、工場によってやり方も変わり、情報の伝え方も煩雑になっていました。

クラウドを活用した生産管理は、製造に必要な情報が整理されているので生産がスムーズに進行し、さらに同じ情報をリアルタイムで共有できるため、確認の手間からも解放されます。

また長い間お付き合いしてきた取引先の工場には、納期やコストに関して「無理を言える」と同時に「言いにくい」こともあります。

しかしクラウドを活用して取引した工場とは、納期やコストに関しては事前の条件通りに進みますので、ビジネスライクにやり取りができるところが良いと思いました。

ここは、私たちのように少数で運営しているブランドにとっては非常に重要なポイントで、クラウドにより業務の効率化や時短が進み、どちらか1人の生産性が上がるだけで、全体として大きな力になります。

その他の便利な機能がクリエイティブの支援になる

まだ使いこなしていませんが、「生地・附属管理購入機能」に注目しています。

sitateru CLOUD上に、生地や附属品の情報が公開されており、カタログを眺めているだけで、新しいデザインのインスピレーションが湧いてくることもあります。

また、掲載されている生地のサンプルを取り寄せることもできるため、クリエイティブワークをサポートする機能として今後期待しています。

他にも、「展示会機能」の利用も検討しています。

今までは展示会後に、FAXやメール・電話などの注文をパソコンに打ち込んで受注数の管理をしていましたが、ネットで注文の受付けができるだけでなく、商品にQRコードを付けてスマホから注文ができるなど、作業の大きな効率化が期待できそうです。

私たちのように2人でデザインから生産、さらに経理の仕事までやっているブランドにとっては、バックオフィスの業務が効率化できる機能は大変助かります。

※シタテルより

現在「生地・附属管理購入機能」は、生地や附属品メーカーにご登録いただき、カタログショーケースの役割として、大変ご好評をいただいています。

今後は、sitateru CLOUDにご登録いただいているサプライヤーの情報公開についても、工場背景を拡充したい企業様により便利にご利用いただけるよう検討しております。

当面は、既存のフローとsitateru CLOUDの2つを使い分ける

sitateru CLOUDを通じて取引した工場においては、新しいワークフローで効率的な業務の実現が可能だと実感しました。

今後も「マッチング機能」をもっと活用し、条件の合う工場に依頼するケースを想定しています。

しかし、既存の取引先とは長い付き合いの中で培われた、これまで通りのやり方でアイテム生産を進めていこうと考えています。

当面は、sitateru CLOUDと既存のやり方を使い分けながら業務を進行していく予定です。(ビアンカ氏)

今回は、sitateru CLOUDを活用した業務改善を検証しながら、新しい工場背景を拡充するということを実現することができました。

価格だけではなく品質や納期の対応、またDXを使った進行管理など、相談できる取引先が増えてよかったと思います。

今回依頼した工場は、厳しい条件にも関わらず、予想以上のクオリティで仕上げていただきました。今後も良いお付き合いをしたいと考えています。(ヤシゲ氏)

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