事例

デザイナーズブランドにとってワークフローのデジタル化は、 目指すブランドを実現するための近道

株式会社APLUI(アプリュイ)

アパレルブランドの運営


JUN OKAMOTO

http://www.junokamoto.com


PANORMO(パノルモ)

https://panormo.official.ec

代表 兼 デザイナー
岡本 順 様

目的

  • ワークフローのデジタル化により「時間短縮」や「ミス軽減」など業務の効率化を図り、少ないスタッフで生産性を上げる
  • 「sitateru CLOUD」を利用している工場とサプライヤーの新規開拓をしたい

結果

  • 「情報検索のスピード化」「仕様書情報の一元化」などが実現され、業務効率が上がりミスが減った
  • 「sitateru CLOUD」を利用している新規工場へスムーズに依頼ができ、継続した取引きが実現

利用サービス

「sitateru CLOUD」は、業務効率化と新規の工場と仕事をスムーズに始められる点が大きなメリット

パリで熟成された世界観を「物語を感じる洋服」として表現するブランド

(代表 兼 デザイナー 岡本 順氏)

「Alexandre Matthieu(アレキサンドル マチュー)」のアシスタントを経て、2005年より自身のブランド(JUN OKAMOTO)をパリでスタート。その後拠点を日本に移し、熊本に店舗とアトリエ、2014年には東京の代官山にも店舗をオープンしました。

ブランドのコンセプトは、「詩的な情景を背景にした、物語に登場する主人公の服」です。デザインと響き合う「物語」を自ら執筆して、コレクションの発表時に発信しながら、ヨーロッパの香りがする独自の世界観を展開しています。

洋服も物語も、最初の1本の線や1行のフレーズを生み出すことに大きな力を注いでいます。

真っ白な紙の上に納得の行く最初の線が描けた後は、自然と物語が浮かび上がり、そのままゴールまで最短距離で走るやり方が私のデザインスタイルです。

ワークフローのデジタル化に踏み切ったきっかけは、サービスを提供する会社の信用度

数年前よりシタテルから、クラウドを利用した生産管理サービスのアプローチがありました。

その時は新しいやり方に魅力を感じず、シタテルのサービスも数多くある業務効率化サービスのひとつ、という認識しかありませんでした。

しかしコロナ禍の影響もあり、ここ1〜2年でビジネス環境が大きく変わりました。私たちのような少数精鋭のブランドも、生産の効率化は大きな課題として顕在化しており、クラウドシステム導入の検討をはじめました。

機能面の検討と評価については、実際に利用するスタッフに一任した結果、「導入をしたい」という意見となりました。

私自身が最終的に決断したポイントとしては、サービスを提供しているシタテルという会社がアパレル業界において信頼できる会社だと納得した点です。またシタテルのスタッフもアパレル業界に精通しており、業界をよくするためにサービスを提供しているその「志」も含め、長い付き合いができると思いました。

シタテルの一番の魅力は、業界の知見をもつ「人」がサポートしてくれるところ

私たちに限らず、少数精鋭のブランドは、自分たちに合う「よい工場」をみつけることにとても苦労しています。

当初は、業務効率化よりも「sitateru CLOUD」を利用している国内工場の取引きができる点に魅力を感じ期待しました。

結果として今では、「縫製の難しいブラウスの制作をお願いできる工場がないか」とシタテルの担当者に相談すると、クラウドシステムを利用している複数の工場から弊社に合った最適な工場を紹介してもらえるのでとても助かっています。

また、いわゆる「振り屋」とは異なり、一度つながった工場とはその後システムを利用して効率的に仕事をお願いできる点は大きなメリットだと思っています。

現場にとってsitateru CLOUD は、「とても気の利いたツール」

(生産 兼 パタンナー岩木 誠氏)

生産管理のほとんどの業務に、シタテルのクラウドを利用しています。利用率だと、全体の80%で残り20%は主にメールを利用しています。

今までFAXやメール、電話などのツールを複合的に使い仕事を進めてきた時と比べ、実はクラウドを使って仕事が「劇的に大きく何かが変わった」という感覚は、それほどはありません。それは、洋服作りの工程はどのようなツールを使っても、工場と連絡を取りながら形にしていく「ものづくり」という点では基本的には同じだからです。

しかし実際にクラウドのシステムを日々利用して感じるのは、「細かい便利が積み重なり」全体として捉えると、業務の効率性が上がっていることです。少し感覚的な表現になりますが、「とても気の利いたツール」だと思っています。

現場が感じるメリット1:情報の検索

クラウドシステムを使うようになり最も便利だと感じる機能が、「工場」「シーズン」「品番」「品名」「カテゴリー」など、さまざまな項目で仕事が管理できるところです。ペーパレスになり「データ検索」が素早くできるだけではなく、メールのように情報が埋もれずとても便利です。

現場が感じるメリット2:情報の一元化

今まで品番ごとに紙で管理していた情報が、データとして「一元化」されるメリットは大きいと思います。クラウドサーバー上に「最新の仕様書」が作成され、その仕様書を工場とリアルタイムで確認できるようになったことで「ミスが起きにくい環境」が実現でき、今まで日常的に行ってきた作業の目に見えない労力や時間が減って「大きな効率化」につながったと感じています。

現場が感じるメリット3:展示会機能

展示会機能はとても便利に使っています。オンライン上で新作の発表を行うと同時にオーダーを受けることができるので、集計・制作・配送までを一貫してシステムで管理しています。

時節柄、展示会場に直接来られない地方のお客様などが利用できるだけではなく、実際の展示会場にお越しいただいたお客様が後日、パソコンでオーダーしていただくことで、一括集計ができそのまま工場への発注も可能なため、大変便利に利用しています。

これまでは、FAXや電話で入った注文を手作業で集計していたので、大幅な削減となりました。

クラウドを利用したデジタルワークフローは、新規の取引きほどやりやすい

当初、新しいシステムの導入については、これまで何度か仕事を依頼していて、お互いやり方が分かっている工場の方がスムーズに利用できると考えていました。

今までのように電話、メール、チャットを併用しながら、新しいツールに移行していく形です。

しかし実際に利用してみると予想とはまったく逆の結果になり、これまで取引きのなかった工場の方が、稼働がスムーズに進行しました。

それはおそらく、最初からシステムを使った「新しい取引きのルール」に合わせて作業を進められるからだと思います。

例えるなら、会社ごとに「方言」を使っていたやりとりをクラウドシステム内の「標準語」でコミュニケーションするようなイメージです。

今後この業界も、仕事の進め方がどんどん標準化されていくことを実感しています。

また今まで振り屋経由でリクエストしていたことを、工場と同じシステムを使うことによって、より生産現場に近い立ち位置で意思伝達ができるため、時間短縮だけではなく、ニュアンスも含めた要望が直接作業現場に伝わり、仕事の精度も上がっているように感じます。

ここにも、ワークフローのデジタル化の大きなメリットを感じます。

新しいワークフローや取引先工場の拡充は、少数精鋭のブランドにとっては大きな力と希望になります

(代表 兼 デザイナー 岡本 順氏)

アパレル業界も厳しい状況が続きますが、できることには前向きに取り組みたいという思いで、私も新しい挑戦をしています。

そのひとつが、他のデザイナーの商品をプロデュースした「PANORMO(パノルモ)」というブランドの立ち上げです。

バイオリニストの花井悠希氏が、「演奏家の目からみた演奏家のためのドレス」というコンセプトでデザインしています。自分がデザインする洋服とは違った、チャレンジのひとつです。

APLUIは、東京でデザインを行い熊本で生産するという体制で、人員も最小限で運営しています。

会社経営という観点からも、それぞれの拠点で生産性をあげて、お客様に喜ばれる洋服を作っていくことが大きな課題であり目標です。

弊社にとって、クラウドシステムを利用して業務がデジタル化されたことにより、今までにない数多くのメリットを享受できたと考えています。

熊本の生産効率も上がっただけではなく、東京から生産状況をリアルタイムで管理・確認できたり、展示会機能などで業務が効率化されたので煩雑な業務から開放されました。

結果として新しい取り組みなどにも挑戦できるなど、これまで以上に私は企画・デザインの作業に集中できていると思っています。今後の「sitateru CLOUD」のさらなる進化に期待しています。

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