事例

独自の世界観を持つブランドがクラウドシステムを使い「生産管理業務の効率化」を目指した2つの理由

mau.inc

アパレルブランド運営

www.susuri.com/

齋藤 龍也 様
中山 ひかる 様

目的

  • 工場、メーカーとの連絡手段を統一し効率化したい
  • 協力会社との対応業務を一元管理して、ワークフローを再構築する
  • 業務効率化を進め、クリエイティブ作業の時間を多くしたい

結果

  • 協力会社との連絡手段が統一化され、業務効率化ができた
  • システムを使いこなしていくことで、新しいコミュニケーションの方法が確立されつつある
  • 今後、業務の効率化だけではなく新しいビジネスコミュニティが形成されれば、新たなビジネスチャンスにつながる可能性がある

利用サービス

クリエイティブに集中して、ブランド独自の世界観を深めたい

「susuri(ススリ)」は、立ち上げから8年目になるブランドです。
www.susuri.com

ブランドのコンセプトと言うか好きなテイストは、レディースとメンズ、機能的と装飾的などはっきりと引かれがちな境界線が曖昧なものです。価値観に自由を求め、今の気分の「美しい」を探していく感覚を大切にデザインにしています。

デザインから関連する業務全てを、自分たちでこなしています。

服づくりの様々な工程の中でもデザインすることが私達の本来の仕事ですので、インスピレーションの源である日常の様々な体験や資料のインプットはとても大切にしています。好きな音楽やインテリアを仕事場に取り入れて、クリエイティブに集中できる環境づくりをしています。

「クラウドサービス」って何?と言うくらい、自分たちとは無縁だと思っていましたが、2つの機能に魅力を感じて利用を決断

当初は利用を全く考えていないサービスでしたが、シタテルの説明を聞いたところ、困っている2つの事が解決できる事がわかりました。

私達の仕事は、工場と直接やり取りをしながら進行しています。従来工場との連絡手段はそれぞれ、電話、FAX、メール、もしくはLINEを使うなど様々で、製作の進行管理業務がとても煩雑になっていました。

まずクラウド導入の大きな目的のひとつは、それらの連絡方法を統一できるということです。

2つ目の目的としては、取引のできる工場の数を増やしていきたいということです。

現状の取引工場の(製作の)キャパシティに限界を感じていましたので、条件の合う工場を探せる縫製業界のプラットフォームとして利用できるところは非常に魅力的でした。また先方(工場)も条件の合わない仕事は断ることができる仕組みでしたので、発注側も受注側も平等に仕事が進められるところも気に入りました。

私達の「工場とは常にフェアーな関係でいたい」という、仕事のスタイルとも一致するからです。
システムの運用をしていくうちに業務の課題や将来の可能性が見えれば良いと思い導入を決断しました。

ニュアンスの伝わる会話口調のチャットや「受け取りましたボタン」には、ミスを減らす効果以上に、新しいコミュニケーションの可能性を感じる

実際にシステムを運用してみて一番変わったことは、様々な方法でやりとりしていた連絡が一つに統一されたことです。
ここは期待通りに煩雑さが解消されました。

以前は、この工場は「FAXは届いているかな」とか、こちら工場は「仕様書をスキャンしてメールしなきゃ」とか煩雑な業務に追われていましたが、
今はシステムの中で進行履歴が一元で管理され、「見える化」されているので、とてもシンプルに業務を進められています。

ただ導入時に心配していたのは、システム導入によって工場との「温度差」が生じることでした。こちらが伝えたい感覚的なリクエストに対して、
工場が不安に思っている感じが、今までは電話で伝わっていましたが、文面だけでその辺のニュアンスが伝わるのか心配でした。

しかし実際に運用を始めてみると、絶対にシステムだけを使わなければいけないと言うルールはどこにもなく、従来の連絡方法も補助的に使えば良いので、ニュアンスを伝えたい時は直接電話して解決しています。(※1)

利用が慣れてくると、工場によってはコミュニケーションもシステムに合わせて頂くようになっています。
メッセージも「会話口調」になり、「気持ちよく引き受けて頂いているな」とチャットでも十分にニュアンスが伝わります。

また「受け取りましたボタン」の機能も、「あっ、変更した仕様書を受け取ってもらったんだな」という確認になり安心しますし、工場側もボタン一つで連絡ができるわけですから楽になっていると思います。

※1(シタテル補足)
お客様によってはクラウドシステムの他にビデオ通話を併用して、担当者の顔合わせや、システムでは伝わらないニュアンスを補完的に利用されています

レベルの高い工場との出会いも、クラウドを通じ実現できている

「新しい工場を探したい」という導入の目的についても、取引先が広がってきています。

私達が求めているのは、コストや納期など条件が合うことは前提としてありますが、むずかしい素材に適応できる技術力やコミュニケーションスキルの高さなどです。

新しく取引が始まれば、こちらは、自分たちの納得のいく仕上がりを目指し、ある程度わがままな要求をすることになります。条件面で折り合うことも大事ですが、工場との相性みたいなものも、とても大切にしています。

今回、クラウドをきっかけに取引が始まった工場との出会いは本当によかったです。仕事に対する姿勢や気配りは、商品の梱包などから見て取ることもありますが、そのような観点からも、とても素晴らしい工場との出会いができています。

使ってみて実感した今までの「製造管理の非効率性」と、サンプル製作から量産までの進行管理が画期的に変わる「予感と期待」

正直に言えば、工場も私達もシステム導入は始めての試みでしたし、不慣れなため最初はミスもありました。
ただそれも時間が解決しましたし、何よりシステム導入による新しいコミュニケーションは、色々な「気づき」を与えてくれました。

製作の進捗状況が「見える化」されることで、製造管理だけではなく全ての仕事のスケジュール管理がやりやすくなりました。
またシステムで画像が送れるメリットは大きく、今までは画像はメールで、ニュアンスは電話で、仕様書はFAXでなど、都度目的に合ったツールを利用していましたが、それが全てシステムの中で一元化され、さらに検索ができることは、時短を含めた大きな効率化だと感じています。

また現状では、サンプル製作までの製造管理にシステムを使うことが多いのですが、今後はデータとして工場と共有しているサンプルの仕様を元に(変更を加えながら)バルク、量産へスムーズに移行して行ければ、システムを使うメリットは更に大きくなる予感がしており、とても期待しています。

ブランドとしては効率化されて「クリエイティブ」に時間をかけられる。
業界全体としては、小さな組織がつながり新しいビジネスコミュニティが生まれる可能性を感じる夢のあるサービス

小規模なブランドでも型は50以上ありますので、クラウドサービスの導入により素材や縫製工程を管理できる業務が効率化され煩雑な進行管理から開放されることは、本当に理想的なフローを手に入れたと感じます。それは、本来私達デザイナーの仕事でありブランドを支える「クリエイティブ・デザイン作業」に専念できるからです。

一方工場からみても、システム導入によりサンプル出しから量産製造の枠や工賃を含めた仕様決定まで、ある程度こちらが設定した範囲でスムーズに進められれば、メリットは大きいと思います。

今後期待していることは、単なるワークフローの効率化という観点ではなく、業界全体として取り組み、ブランドメーカーとパタンナー、生地屋や工場が直線的につながることで、新しいコミュニティが形成されていくことです。

小さな会社だけではできないこと、小さな縫製工場だけではできないことが、システムという一つの共通ルールが発展することで、ビジネスコミュニティが形成され、つながることで新しい大きな力が出てくるのではないでしょうか。

例えばですが、ユーザーが私達のブランドで1点ものが欲しいというニーズに対応できる製造ラインが予め構築されていたとしたら、ビジネス的にも面白い展開ができるのではないかと思います。まだまだこれからの話しですが、システムを利用させていただきながらそんなことも夢見て、期待しています。

  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン
事例TOPに戻る