事例

私達の目指すビジョンに対して「必要とするウェア」を作ってくれる会社でした

オルビス株式会社

化粧品、栄養補助食品、ボディウェアの企画・開発および通信販売・店舗販売。

「ここちを美しく。」というブランドメッセージをかかげ、「スマートエイジング」

という価値が一体となった商品やサービスを提供。


「スマートエイジング」とは「アンチエイジング」と逆の考え方で、

加齢をネガティブに捉えて抗う考え方ではなく、歳を取ることを受容して、

人が本来持つ「もっときれいになろう」という力を最大限引き出す力のこと。


https://www.orbis.co.jp

マーケティング戦略部 ブランド統括グループ
クリエイティブディレクター
小椋 浩佑 様

目的

  • 体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』の発信する世界観やメッセージと調和をとりながら、オルビスらしさがあるユニフォーム
  • 青山の場所柄を考慮した、より尖ったデザインにしてブランドビジネス展開を進める

結果

  • ブランドメッセージを認知していただくためのデザインが実現
  • 「着心地・機能性」の両立が実現できており、個人の「気分」や「作業」に最適化できている

利用サービス

「オルビスらしさ」をしっかりと分析してデザインに落とし込んだ、『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』限定ユニフォーム

前回のユニフォーム制作にはとても満足しており、体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』のユニフォームもお願いしました

前回のユニフォームリニューアルは、オルビスにとって、「余計な装飾を省いた堅実な化粧品通販」のイメージから「ブランドビジネス」に切り替えるための大きなチャレンジでしたが、シタテルとデザイナー末定氏の力を借りながら達成することができました。

リニューアル後に行った、店舗で着用するBA(ビューティーアドバイザー)へのアンケートからも「満足」という結果が出ており、来店されたお客様から、「店員さんが『このユニフォームは、個人個人で着こなし方が変わるんですよ』と、生き生きと話しながら商品の説明してくれました」と言ったお声を頂くと、さらに成果を実感します。

2018年から取り組んでいるリブランディングの柱の1つである体験特化型施設が、青山店の『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』です。本年(2020年)7月にオープンいたしました。

今回も、その『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』のユニフォーム制作をシタテルに依頼しました。

体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』の目的は、お客様にブランドメッセージである「ここちを美しく。」を体感してもらうこと

「ここちを美しく。」というブランドメッセージは、言葉としては誰にでも読みやすく分かりやすいのですが、それが具体的にどういうことか、ということは説明が難しいと思っています。いい意味で抽象的で多くの人に浸透する言葉ですが、これからブランドビジネスを行っていく上で、「具体的な体験として伝えられる場を持たなければならない」という目的でこの体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』を作りました。

お客様と適度な距離で寄り添い、買わせるのではなく本当に必要なものだけを買っていただいて我々の持っている商品力を感じていただく。このような、商品とそのブランドの世界観が気に入って頂いたお客様と、継続的に繋がるというビジネスモデルに育てて行きたいと考えています。

このショップはそれを「体験」できる場所にしたいと考えました。

ブランドメッセージを伝えるための体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』の仕掛けの数々と「Feel First,Learn Later」というコミュニケーションの手法

店舗のテーマは「商品ではなく、自分自身を知っていただく」です。そしてお客様とは「Feel First, Learn Later」というコミュニケーションの考え方を大切にしています。

「Feel First」というのは、まずは直感的に「いいなって感じること」です。

化粧品業界では、他社よりどれだけ追加成分が入っているか、などで競争していますが、私達はお客様にアプローチをする際、まず最初のステップとして、楽しそうとか、ちょっとこのお店に入ってみたいと感じて頂くことのほうが重要だと考えました。

そのようなコミュニケーションを実現するために、このショップは様々なアイデアや仕掛けがあります。

例えば、商品のポスターやPOPは掲示しておらず、メッセージは空間にイラストなどでシンプルに浮かび上がるようなディスプレイになっています。
また、建物を覆っている全面のガラスからは店舗全体に自然光が降り注ぎ、ゆるやかに流れるようなフォルムのテーブルが配置されているおり、店内はまるで美術館のような空間に演出されています。

店内を流れる音楽もオリジナルのここちよい音楽が流れ、それを1枚ずつ模様の異なるアナログレコードにして販売するというギミックと遊び心溢れる企画など、徹底的にこだわった店舗づくりを行いました。

店舗・スタッフ・ユニフォームの方向性が同期し増幅しながら作り出す、ブランドの透明感あふれる世界観

来店したお客様が、そういった世界観・価値観に共感し「自ら知ってみたい」と思ったタイミングで、欲しい知識や情報を差しあげるという「Learn Later」という形のコミュニケーションを実践しています。

そのお手伝いをするのが店内のBAやジュースバー、トリートメントスタッフとなりますが、接客時にこの世界観、ブランドイメージを体現するユニフォームは大変重要な役割を果たすと考えています。

前回のユニフォームは、商品を販売するというショップ機能の中で思想を表現するという目的があり、着用するBAのユニフォームとはこうあるべき、という比較的分かりやすい前提がありましたが、今回はこの場所だけで使用するユニフォームなので、そのコンセプトをさらに尖らせた場合にどのようなユニフォームになるかという挑戦でした。

デザイナーのイメージを元に、オルビス「らしさ」をどのように反映させるかを、納得いくまで検討を重ねた

既存の店舗とはお客様の層が違うこの青山エリアの中で、「オルビスらしさをきちっと伝えるためには、どのようなユニフォームにすればよいか」については何度も話し合いを積み重ねました。シタテルから最初に提案されたデザインは、デザイナーのブランドの特徴が出たデザインでした。そこに、「オルビスらしさ」をどのように加えていくかという作業を、繰り返しながら作り込んでいきました。

デザインや布、ボタンの提案に対して、本当に何度も納得いくまで「戻し(修正のリクエスト)」をしました。「良くすることを諦めない」という私の信念として持っている考え方に沿った行動でした。デザインの大きな肝である背中のスリットは、ファスナーを開くと、とても繊細な青色の生地で表現されています。

これは、デザイナー末定氏の特徴である、「スリットを使った立体的なフォルム」を活かしたデザインで、そこから調整を繰り返し、オルビスのうるおいをテーマにしていることを表現するために、スリットの中の生地色を水の深さが生むブルーグレーにした結果です。

このように、お互いのイマジネーションのキャッチボールを繰り返しながら、デザインが進化していき、私達の思いと末定氏のデザインの化学反応が起きて素晴らしい仕上がりになったと思っています。

オルビスの考え方である、根拠のあるこだわり「ヒーリングバイサイエンス」

1枚ずつ形状の異なるタイルを敷き詰めた店内の床や、そこで使用するユニフォームの細部のこだわりは、「良くすることを諦めない」という考え方の他に、イメージ的な「こだわり」ではなく、根拠のある「こだわり」をとことん突き詰めるという企業風土が背景にあるかもしれません。

オルビスの基本的な考え方に、「ヒーリングバイサイエンス」があります。「雰囲気が良いと言うことには必ず理由と論理と法則があって、そういうものをきちっと構築してお客様に届けよう」というものです。

商品開発から店舗づくり、そして接客まで、全ての仕事にそれは当てはまります。化粧品でもユニフォームでも、「なんとなく良い」の裏付けを「どこが良いのか」「どうして良いのか」を確実に提供する側が把握することはとても大切だと思っています。

私達の目指すビジョンに対して真摯に向き合い、必要とするウェアを制作していただきました

今回も制作依頼したシタテルは、「こんなのありますよ」 「これどうですか」ではなくて、もっと自由な発想・やり方で、ユニフォーム制作を提案して頂ける会社だと思います。

私は、ユニフォームの会社さんにお願いしているのではなくて、目指すビジョンに対して必要なウェアを作ってくれる会社にオーダーしたと思っています。

プロジェクトを動かすとたくさんの人が集まりますが、数値化できない人柄の良さとか、同じ熱量で動ける事がチームの肝でプロジェクト成功の鍵だと思っています。

チームの雰囲気が良いと、アウトプットのクオリティがよりアップされるのではないでしょうか。そういった意味で、今回のプロジェクトは人に恵まれましたし、ユニフォーム制作は、シタテルやデザイナーの末定氏にも本当に柔軟に粘り強く対応して頂きとても感謝しています。

まだショップがスタートしたばかりですので、ユニフォームの成果、効果は今後時間をかけて評価していきます。
ただ、現時点でヒアリングした結果ですと、スタッフには気に入って着用してもらっていますので、初動としては良かったと感じています。

背中に追加したファスナーのギミックだけでなく、襟も取り外しができたり、横のスリットも大胆に開いたりと、好みと着心地という機能の領域が個人の気分や作業によりアジャストできるように設計されたデザインが大きく影響していると思います。

オープンがゴールではなく、『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』の価値を磨くために、これからが大事な時期だと考えています。
お客様が来店され、どのように感じて行動していただけるかを肌で感じ検証しながら、一つ一つの課題に取り組んでいき、より良い店舗づくりを目指して改善を続けていきたいと考えています。

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