事例

メイクアップアーティストブランドADDICTIONのコンセプトを体現するユニフォーム

ADDICTION(アディクション)

2009年7月にデビューしたメイクアップアーティストブランド。グローバルに活躍するメイクアップアーティストKANAKOがクリエイティブディレクターを務める。「Sutle Uniquness」をブランドのコンセプトに掲げ、自分らしさにほんの少しのユニークさを効かせるようなメイクアッププロダクトを提供。自分自身のままで軽やかにまとえるような、印象的なカラーや洗練されたテクスチャーを豊富に取り揃える。


2025年1月現在、全国の百貨店32店舗を展開。専門店、セミセルフ店などでは95店舗で取り扱いがある。黒を基調とした洗練されたディスプレイが特徴で、スタイリッシュなブランドイメージを象徴している。


https://www.addiction-beauty.com/


ADDICTION トレーナー
木下 千里 様

目的

  • ブランドコンセプトをスタッフが体現できるデザインにしたい
  • 現状のユニフォームの課題や問題点を解決したい

結果

  • ブランドコンセプトが具現化され、着用したスタッフ自身も自由に個性を表現できるデザインになった
  • デザインだけではなく、機能性も十分満足のいく仕上がりになり課題解決ができた

利用サービス

ユニセックス対応のスタイリッシュなデザインは、バリエーション豊かな着こなしによる個性を表現

グローバルブランドを目指すADDICTION

ADDICTIONはひとりひとりの個性を最大限に生かしたスタイルを創り上げるメイクアップブランドとして2009年7月に誕生しました。

これまでに2016年に香港と韓国、2017年に台湾、中国越境ECに出店し、グローバル展開を進めてきました。2023年にはアメリカにECサイトを開設し、世界に通用するブランドとしてさらなる成長が期待されています。

リニューアル前ユニフォームの課題と現場スタッフのモチベーション

現在、私は「トレーナー」としてパーソナル・アドバイザー※の育成業務を担当していますが、以前は現場でリニューアル前のユニフォームを着用し、パーソナルアドバイザーとして活動していました。

そのため、今回ユニフォームのリニューアル担当を任された時には、現場での経験をもとに「ここは良かった」「ここを改善すべき」という課題を、新デザインに反映したいと思っていました。

また、私自身の経験からも、新しいユニフォームが支給されることが現場スタッフにとって楽しみであり、モチベーションアップにつながることを強く実感していました。

そのため、ユニフォームのリニューアルはアドバイザーの意欲を高める重要な施策であると理解していました。

※パーソナルアドバイサー:メイクでお客様の魅力を引き出す接客スタッフ。ADDICTIONでは一人一人を「パーソナルアドバイザー」と呼び、顧客とのリアルな接点としてブランドを支える重要な役割を担っている

現行ユニフォームの課題を新しいユニフォーム制作に活かす

ユニフォームのリニューアルにあたり、デザイン制作のパートナー企業を選定するために、4社から提案を受けました。

その際、現行の課題を踏まえ、以下の要望を提示しました。

デザインにおいて最も重視したポイントは、「着用するスタッフが『プロのメイクアップアーティスト』でありながらも、カジュアルで親しみを感じていただけることをユニフォームで体現する」ことでした。

売り場の雰囲気に合わせた「黒」を基調に、ブランドイメージに適したデザインを基本方針としました。

また、スタッフの持つ「様々な個性への対応」を考慮し、「ボディラインを強調せず、自由に着こなしを楽しめる」といった要望も組み込みました。機能性や運用面については、現場スタッフの意見を反映しました。

メイクアップ作業の動きやすさを考慮した「伸縮性」や「着心地」の良さに加え、「アイシャドウなどのラメが簡単に落とせる素材」や冷暖房対策としての「気温変化への対応」など、実際の業務で直面する課題を解決する工夫を盛り込んでいます。

さらに、将来的な海外展開を見据え、SDGsへの取り組みとして「配送、管理、廃棄まで効率的に運用できる仕組みの提案」も依頼しました。

リニューアルの「ワクワク感」を感じたデザイン

お声がけした4社からは、まず「デザイン画」という形でプレゼンテーションを受けましたが、その中でもシタテルのデザイン提案はとても際立ち、印象的でした。

さすがコレクションブランドを手掛けたデザイナーを起用しているだけあり、そのデザインクオリティの高さには驚かされました。

流行やトレンドを取り入れたデザインは、「新鮮さ」やユニフォームが変わる際の「ワクワク感」だけでなく、「TOKYOの空気感」までも世界に発信できるクオリティを備えていました。

それはまさに、ADDICTIONが世界市場を見据えて目指すブランド像を具現化したものでした。

実在する現場スタッフをモデルにしたデザイン画は、着用イメージが具体的に浮かび、「これを着てみたい」と思わせる魅力もありました。

それは実店舗でのリサーチが反映されおり、プレゼンテーションに込められた熱意を感じました。

このデザインをプロジェクトメンバーだけでなく、多くの社内メンバーが「素敵だ」と感じたのは、スタッフ全員が共有するアディクションらしさは損なわず、新しさがプラスされた斬新なデザインに共感を生んだからだと考えます。

シタテルを選んだ理由

一言でいえば、他社と比較してADDICTIONブランドに対する理解が非常に深かったことです。

シタテルの提案は、ADDICTIONのブランドコンセプトである「自分らしさに、ほんの少しのユニークネスを効かせていく。大胆で、繊細。肩の力を抜いて楽しむ唯一無二のニュアンス。」を明確に理解し、その考え方をデザインに落とし込んでいました。

さらに、顧客との接点である店舗スタッフのユニフォームを「ブランディングツール」として位置付けた点が、他社との差別化につながりました。

以下の4点が、シタテルの提案で高く評価された理由です。

1.ブランドコンセプトの体現

ブランドが掲げる「個性を大事にする」という理念を企画に反映し、「ジェンダーレス」に対応したデザインを提案していただけました。体型や性別を問わず、着用者がそれぞれの個性に合わせて着こなせるバリエーションが魅力的で、女性だけでなく現場の男性アドバイザーにも好評でした。

2.トレンドと「TOKYOの空気感」の発信

世界市場を目指すブランドとして、デザインにトレンドや流行を取り入れつつ、「TOKYOの空気感」をユニフォームを通じて発信できる点が評価されました。

3.実績と信頼性

現行のユニフォームを4年前に制作したシタテルには、その品質や対応力への信頼があり、提案内容を実現してもらえる安心感がありました。


4.SDGsへの取り組みと運用提案

SDGsの観点で、アパレルリサイクルに関する具体的な提案をいただきました。世界市場を目指すブランドとしてリサイクルは重要な課題でしたが、シタテルはその運用方法を提示し、今後の実現性に裏付けを持たせてくれました。

現場スタッフの意向を反映しディテールにこだわった結果、機能が大幅に向上

理想のデザインと機能性を両立させるために、打ち合わせを重ねて調整を進めた結果、満足度の高いユニフォームが完成しました。

当初提案された「ガウチョパンツ」は、着こなしの難しさが懸念され、「巻きスカート」へ大幅変更となりました。

このスカートには、デザイン性だけではなく作業時の機能性を重視し、長さや動きやすさ、しゃがんだ際の露出を抑える工夫が施されています。

ジャケットなどの他のアイテムには、オーバーサイズのゆったりしたデザインを採用しました。

これにより、トレンド感を演出すると同時に、現場環境に適した体温調整のしやすさなど、機能面でのメリットも実現しています。

従来のユニフォームでは、重ね着によるシルエットの崩れやインナーでの温度調整が難しいという課題がありました。

一部のスタッフからは、1年中ジャケットが脱げずに不便を感じているという声もありましたが、新しいユニフォームでは季節に応じた自由な着こなしが楽しめるようになったと好評です。

さらに、軽量で動きやすい素材の採用や汗脇パッドの装着、腕まくりのしやすさなど、細部にまでこだわった結果、現場スタッフのストレスを大幅に軽減することができました。

また、洗濯後にノンアイロンで着用できる利便性も高く評価されています。毎日着用するユニフォームだからこそ、「仕事着」としての機能性が向上し、運用上の課題が改善されたことへの満足感は非常に高いものとなっています。

性別にとらわれない自己表現が実現し、ブランドコンセプトの発信にも貢献

新しいユニフォームの運用が開始された現場を視察した際、スタッフのモチベーションが以前よりさらに高まっている様子を実感しました。

このユニフォームは、アイテムの組み合わせだけでなく、襟の折り方やベルトの使い方、シャツのウエスト部分に付いているサイズ調整用の紐などを活用することで、多彩な着こなしが可能です。

その結果、スタッフ一人ひとりが自分らしいスタイルを自由に表現できているように感じました。

また、男性アドバイザーも同じデザインのユニフォームを楽しんで着こなしており、ジェンダーレスを掲げるADDICTIONのコンセプトが現場で受け入れられていることを確認できました。

このことから、今回の大きな課題の1つであったユニセックスデザインは成功したと言えます。さらに、顧客と接するアドバイザーが、新しいユニフォームを通じて「自分らしさ」をいきいきと表現している姿は、「アディクションらしさ」を体現しているように感じます。

これは、今後の海外市場展開を見据えたブランディング戦略においても、大きな意義を持つと考えます。

こだわりを具現化した、アパレルのプロフェッショナルサポート

今回のユニフォームリニューアルでは、ブランドの理念を体現できる「デザイン」と、スタッフのニーズに答える「機能性」を両立させるという、難しい課題に取り組みました。

この課題を解決できたのは、アパレル制作のプロであるシタテルからの的確なアドバイスとサポートのおかげです。

特に、素材選びや細部へのこだわりについて、専門的で具体的な提案をいただけたことが大きな助けとなりました。

その結果、多くの課題が解決しただけでなく、スタッフが楽しく働ける、魅力的で実用的なユニフォームを完成させることができ、大変満足をしています。

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