事例

特許技術を武器に発展を続ける機械加工企業がアパレルへ参入。アウトドアブランド立ち上げに挑む

リバストン工業株式会社

・ELL’S PARK(エルズパーク)


「犬と楽しむアウトドアライフ」をテーマとしたアパレルブランド。

2022年6月にオープンしたECサイトにて、アウトドアやキャンプに関するウェア・グッズを展開中。

https://ells-park.jp/


・リバストン工業株式会社


特許技術を用いたコーティング処理をはじめ、アルマイト処理、窒化処理、アルゴン溶接などを行う機械・素材加工業

http://www.river-stone.jp/



(左)代表取締役 社長 石川 哲也 様
(右)ELL’S PARK プロダクトマネージャー 江森 旭 様

目的

  • アパレル未経験者が、クラウドシステムとコンシェルジュのサポートを活用してアパレルを制作したい
  • アイテムの企画・デザイン・制作から販売まで、少人数のスタッフで運営するためのノウハウを蓄積する
  • ブランドコンセプトをアイテムに落とし込み商品化する

結果

  • 異業種から参入して初めての取り組みだったが、システムと人的サポートにより、2シーズンのコレクションを制作することができた
  • 実務経験を通してアパレル制作のノウハウも蓄積でき、少しずつコストダウンにも取り組み始めている
  • アイテムが揃い顧客の声が聞ける機会も増えたので、さらにブランドを表現できるアイテム開発ができるような環境になった

利用サービス

アパレル未経験者が、クラウドシステムとコンシェルジュサポートを組み合わせて制作したアウトドアウェア

高度な技術力で75年間顧客ニーズに応えてきた企業

リバストン工業は埼玉県深谷市に本社を構え、産業用機器へのコーティング処理を中心とした事業を展開する創業75年の会社です(2022年現在)。

金属加工業からスタートし、その時代の顧客ニーズに合わせて業態やサービス内容を変えながら技術力を高めてきました。

現在は、特許取得済みの「CASP(キャスプ)」という特殊なコーティング技術を武器に、大手の金属部品メーカーや半導体メーカーと長年培ってきた信頼関係のなかで事業を拡大しています。

工業からアパレル事業へ参入の背景

新規事業としてアパレルブランドを立ち上げた背景は、私(石川社長)が「長年思い描いてきた夢のひとつとして『アパレル事業』をやりたかった」というシンプルな理由です。

祖父の代から長年続けてきた事業と全く異なる業界への参入は、ビジネスとして成功させることはもちろん、新しい人脈や業界のネットワーク、また自分自身の世界を広げるという意味でも大きな挑戦になると考えました。

従来とは業界もビジネスの手法も異なるため、組織も本業とは切り離した社内ベンチャーという位置づけの中、昨年(2021年6月)スタッフ2名と一緒に事業を立ち上げました。

ブランドコンセプトは「犬と楽しむアウトドアライフ」

新規事業のブランドコンセプトは「犬と楽しむアウトドアライフ」です。

自身の趣味や経験から、犬との暮らしをもっと広げて、アウトドアも一緒に楽しめるようなライフスタイルをファッションアイテムを通して提唱したいと考えました。

ブランド名の「ELL’S PARK(エルズ・パーク)」は、遊び心で私の飼い犬の名前「エル」を借り、将来的なビジョンである「犬と楽しむキャンプ場を作る」という大きな目標を「PARK」に込めています。

2シーズンの制作を終えた現在では、ラインナップも「私がほしくなるアイテムやデザイン」という基準で制作しておりますが、今後は展示会などにも積極的に出展しながら、顧客ニーズを反映したアイテムの企画開発に力を入れていきたいと考えています。

事業化を決断した大きな理由は、未経験でも作りたいアイテムを制作できるサービスがあったから

以前より個人的にファッションには興味がありましたが、アパレルの経験もなく、当社主力業務のコーティングや金属加工の技術・ノウハウを全く生かせない別の業界であるため、アパレル事業に新規参入することは簡単ではないことを理解していました。

本来であれば、事業を始めるにあたりアパレルに精通した人材を集めて、組織として中長期的に取り組むべきだと思います。

しかし事業参入へ踏み切った大きな理由のひとつは、現在ネットやクラウドを通して提供されているサービスを利用すれば、未経験者でも作りたいアイテムが制作できるのではないかと考えたからです。

さまざまなサービスを検討した結果、シタテルが提供している「sitateru CLOUD」と生産面のサポートや相談ができるコンシェルジュサービスを活用すれば、「やりたいことが実現できる」と確信し、早速ブランドの立ち上げに着手しました。

sitateru CLOUDとその活用をサポートするコンシェルジュサービスを組み合わせると、異業種の私たちにもアイテムアパレル制作ができる

大きな流れとしてはまず、sitateru CLOUDの基本的な使い方を覚えました。

このsitateru CLOUDは、アパレル制作の流れに沿ったさまざまな機能が盛り込まれており、それを活用することでアパレル制作の流れを理解しながら生産スキームの構築をすることができます。

次に、私たちの「意図」や「要望」をシタテルの経験豊富なコンシェルジュがヒアリングした上で、最適な制作の流れを設計していただき、制作したいアイテムにマッチする工場の選定や発注先など、実践的な制作環境が整います。

取引先の選定は本来であれば経験と知識が必要な上に時間と手間が非常に掛かる作業のため、この業務を代行してもらうメリットは非常に大きいと考えます。

また取引先が設定されたシステムは、まるで「ELL’S PARK専用のアパレル制作システム」のような作業環境になるので、付加価値の高いサービスだと思います。

そして私たちはコンシェルジュのサポートを受けながら、パソコン画面を介し、資材の調達や仕様書の作成・サンプル制作、そして最終的に量産、納品までをクラウド上で関係各社とやり取りをしながらアパレル制作を進めていくことができます。

クラウド上で生地や資材を調達して、作業効率化やコストダウンにも挑戦

サービスを利用し始めた頃は、シタテルの完全サポートを受けながら実務を行っていましたが、最近では生産の流れやクラウドの使い方が理解できるようになり、自分たちでできる作業も増え、効率も上がってきました。

例えば、sitateru CLOUDのサービスのひとつである「生地・附属管理購入機能」を利用して、資材の調達ができるようになったことは大きな進歩になりました。

またサンプル取り寄せや在庫確認などの煩雑な作業も効率化した上に、クラウドの利用における理解が深まったことでコストダウンの効果も出ています。

他にもクラウド上で「最新の仕様書」を共有できる機能や、チャットによるやり取りは「言った言わない」のトラブルも防ぐことができるので、経験の浅い私たちには有効な機能のひとつです。

工場とのやり取り自体が、アパレル制作における教科書となっており助かっています。

将来はブランドコンセプトを全面に打ち出し、犬と楽しく過ごせる本物の「PARK」を作りたい

ブランド立ち上げから1年が経過し、2022年は春夏、秋冬と2シーズンのオリジナルウェアを制作・発売することができました。

限られたスタッフで立ち上げた新規事業のため、ECサイトをオープンさせてラインナップを揃えることができたことで、第一歩は踏み出せたと思っています。

しかしこの「ELL’S PARK」は、ファッションアイテムを制作するだけのアパレル事業にはしたくないと考えています。

将来的には、おしゃれな犬グッズを制作したり、テントを張るスペースの外側に犬がのびのびと自由に走れる大きなドッグランが併設された「キャンプ場 ELL’S PARK」を造るなど、「犬と楽しむアウトドアライフ」に向かってブランド価値を上げていきたいと考えています。

歴史を積み重ねてきた本業とスタートしたばかりの新規事業は、製品こそ全く違いますが、お客様のニーズを具現化するというビジネスの基本は同じだと思っています。

その軸はぶらさずに、このアパレル事業もお客様の要望に応えるようアイテムの制作を1つずつ進めていき、事業としてしっかりと自立できるように注力していきたいと考えています。

  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン
事例TOPに戻る