事例

「オリジナル」に徹底的にこだわったユニフォームで、学園のポリシーや目指す姿を表現

学校法人椎名夢学園 こばと幼稚園

学校法人椎名夢学園は、「こばと幼稚園」、保育園の「こばと夢ナーサリー」・「こばとナーサリースクール」、学習塾の「スクール109」を運営している茨城県牛久市にある学校法人。


“一人ひとりの子供を大切に”をモットーに、夢を育む「学ぶ力」「体の力」「心の力」を育てるための質の高い教育に力を入れている。



https://kobato.ed.jp/

理事長・園長 椎名 健二 様

目的

  • 学園のコンセプトや特徴を表現するためのユニフォームを制作したい
  • 着用したスタッフの仕事や職場への愛着を深めるために、他園にはないオリジナリティのあるデザインを目指す
  • プロセスも含めた制作の一連をブランディングの一環として取り組む

結果

  • コンセプトや差別化を体現できた個性的なデザインが実現した
  • おしゃれなデザインでスタッフのモチベーションが上がり、個人の学園に対する帰属意識に変化が出てきた
  • 採用活動に好影響となった
  • 学園内でさまざまな意見交換が行われた結果、課題や目標の共有などブランディング活動につながった

利用サービス

「デザイン」「機能」「想い」のすべてを詰め込んで制作した、教諭や保育士のモチベーションがあがるユニフォーム

※学校法人椎名夢学園では、こばと幼稚園は「教諭」、こばと夢ナーサリー・こばとナーサリースクールは「保育士」と呼び名を区別していますが、以下一般的な呼称として「保育士」で統一して表記いたします

変化する時代の中で「質の高い教育」に特化した幼稚園を目指す

当園の歴史は古く、私の父親が昭和51年(1976年)に開園しました。

今年(2022年)で創立46周年、私が園長に就任して15年目になります。

昭和40年代後半からこの地域(茨城県牛久市)は、ベッドタウンとして住宅地が多く造られ、人口も増えていきました。

急激に都市化される時代の流れの中で幼稚園不足を背景に私の父親が新しく幼稚園を開園しました。

創立時より、小学校に上がった時にしっかり話しを聞けて学習に取り組める子供に育てるため、「質の高い教育の提供」を目標に運営しています。

早い段階から、当時全国でも珍しかった幼稚園教育の体系化されたメソッドをいち早く導入しました。

私の代になった今も、日々その教育カリキュラムを発展・進化させる努力を続けており、長年にわたり地域の方から評価をいただいている当園の特徴だと自負しています。

幼稚園も古い考え方にとらわれずに「個性」を発信する時代

幼稚園・保育園の業界には、「教育をしっかりやっていれば、自然と評価されて園児も集まるだろう」という、少々保守的な考えが根強いように感じます。

しかし当園では、日々の活動や園の方針を表現するパンフレットやホームページ・映像などの情報発信を大切にしています。

とくにホームページは、24時間365日宣伝してくれますし、保護者の方々はネットを活用して情報収集するため、とても効果的であると思っています。

動画やデザインを重視したコンテンツを積極的に発信することで、子どもたちの日常の姿だけではなく園の目指している教育の姿を伝えることができると考えています。

またこのような情報発信は、保護者の方々へのメッセージになるだけではなく、働く保育士やスタッフとの意識の共有ができる点で学園内部のブランディングにも、とても効果的な施策だと考えています。

保育士のユニフォームが学園の「差別化」と「ブランド化」になる

数年来、「差別化」と「ブランド化」を目標に掲げ、教育カリキュラムや設備のクオリティを徹底的に高める施策を進めると同時に、その取り組みをしっかりと発信することに力をいれてきました。

また、設備の拡充だけではなく保育士が着用するユニフォームも重要なアイテムの一つだと考えています。

そこで「差別化」や「ブランド化」の最終的な仕上げとして、5年ほど前にユニフォームの制作に取り組むことにしました。

私はユニフォームの役割として、学園の顔である「先生たち」がユニフォームを着用することで生き生きと輝き、結果的に保護者や地域の方々から評価に繋がるのではないか、と考えています。

また、既製品ではなくオリジナルのユニフォームを制作することで「差別化」にもつながり、さらに先生たちのモチベーションが上がることで園が活性化して、好循環を生むと考えていました。

デザインを考えるプロセスが、園内のブランディングの一環に

オリジナルユニフォームの制作を決めましたが、自分たちの漠然としたイメージをどのように形にしていけばよいのか全く分かりませんでした。

そんな時、シタテルを紹介してもらい、話しを聞いて検討した結果、アパレル制作のサポートをお願いすることにしました。

ユニフォームを新調するにあたり、課題や目的などは複数ありましたが、まずは着用する先生たちに喜んでもらうことを一番とし、数名の先生と職員でプロジェクトチームを立ち上げました。

制作するアイテムは、完全オリジナルのためそれぞれの要望を集約して形にする作業は難航しました。

現場からは「とにかく動きやすさを重視」したデザインにしてほしいという要望と、子供たちが引っ張るので「伸びない生地」にしてほしいという相反する要望があるなど、機能に関する意見が多く出ました。

また「機能性」を追求する一方、私の立場としては園を象徴するような「おしゃれで個性的なデザイン」にしたいという想いもあったため、最終的なデザイン決定は難航しました。

しかしこのようにユニフォームのデザインを、一から園内のスタッフと一緒に意見を出し合いながら作り上げる作業は刺激的で楽しく、このプロセスこそが園のブランドを一緒に作り上げる一環だと感じながら制作を進めました。

こだわりが反映されたオリジナルデザインの良さを実感

最終的に決定したユニフォームは、さまざまな意見や要望を集約したデザインに着地でき、大変満足しています。

園を象徴する明るいグリーンを基調にしたポロシャツは、細部にこだわり制作しました。

襟を別素材のストライプ柄にした個性的なデザインは、私も先生たちもとても気に入ったのですが、試作品で首まわりが伸びないため、着づらいという意見がありました。

そこで首周りを広げて着やすくする修正案も出ましたが、前かがみになる動作が多いこともあり、最終的にデザインを壊さずに機能も考慮した結果、外から見えない内ボタンを付けることにしました。

オリジナルにこだわる「理由」と「意味」

リニューアルをして4年程経ちますが、現場からは小さな改善の要望も出ており、マイナーチェンジも検討しています。

オリジナルユニフォームを作り直すとコストも割高になり経営的に考えると合理的ではないことも十分認識しています。

もちろん既製品にすればコストも下がりますが、「市販の既製品は既製品でしかない」と考えています。

少し大げさかも知れませんが、「既製品にすることは学園がチャレンジしてきた進化をやめて退化することになってしまう」とすら思っています。

それぐらい、職員や先生たちと一緒に悩み試行錯誤しながら作り上げたユニフォームは、費用対効果以上の特別な意味があると考えています。

保護者からの「先生たちのユニフォームはおしゃれですね」という声は、先生はもちろんですが、私にとってもうれしく励みになる言葉です。

スタッフがこの園で働いてよかったという気持ちになり、積極的に仕事に取り組む相乗効果を生んでいることを実感しています。

保育士の方々の声

「ユニフォームを着ると、仕事のスイッチが入ります。また保護者の方から『素敵ですね』と言われると、うれしくて気持ちも高揚します。」

「着用して気付いたのですが、園長がこだわった内ボタンは、子どもたちが引っ張っることがないため、ボタンが取れる心配もなく、デザインだけではなく機能的にもよい工夫だったと感じています。」

「以前は、デザイン性の高いポロシャツではなかったので、見た目を気にすることはありませんでしたが、おしゃれなユニフォーム(ポロシャツ)になってからは、自然と着こなしにも気を使うようになりました。」

子どもたちが輝くためには、先生たちも輝かなければいけない

教育を受けるのも教えるのも「人」です。

子供たちを成長させるには、私を含めた職員がしっかりと成長していかないと質の高い教育はできませんので、まず自分たちが日々モチベーション高く挑戦する気持ちを持つことが重要です。

子どもたちが輝くためには、先生たちも輝かなくてはいけない。そのための一つのツールとしてユニフォームをオリジナルで制作した挑戦と経験は、当初考えていた以上にとても意義深いことだったと思っています。

  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン
事例TOPに戻る