事例

多くのメディアも注目する「ゼロ・エネルギーホテル」のコンセプトを体現したオリジナルユニフォーム

株式会社GOODTIME

住宅、ホテル、オフィス、商業施設等の事業企画及び運営業務


【事業内容】

・コンセプトメイク業務

・プロジェクトディレクション業務

・プロジェクトマネジメント業務

・スペース及びエリアマネジメント業務

・不動産の所有、売買、賃貸、仲介、媒介、および管理業務

・ホテル等の宿泊施設の運営及びコンサルティング業務 その他


https://goodtimejapan.com/

株式会社GOODTIME 入部 圭介 様
OSE選定・企画アドバイザリー 篠永 奈緒美 様

目的

  • プロジェクトのコンセプトを踏まえたオリジナルユニフォームを制作する
  • タイトなスケジュールと限られた予算の中で、高いデザイン性と品質を実現したい

結果

  • ホテルのコンセプトを体現するユニフォームを制作することできた
  • コンセプト立案、デザイン、制作それぞれの担当者の役割とスキルがうまく噛み合い満足のいくユニフォームができた

利用サービス

「糸プロジェクト」のメッセージを発信するために、SDGsに対応した素材を使い、年齢・性別・体型の垣根を超えたシンプルでミニマムなデザインを目指す

地域創生を目的とした「糸プロジェクト」への参加(株式会社GOODTIME 入部圭介 様)

株式会社GOODTIMEは、「想い出に残る楽しい場づくり」をテーマに、ホテルをはじめオフィスや商業施設などさまざまな施設のコンセプトを策定・提案しているプロデュース会社です。

2014年の創業以来、東京立川の複合施設開発プロジェクトGREEN SPRINGS内の「SORANO HOTEL」や、京阪グループが進める「GOOD NATURE STATION」、同じく京都の「THE THOUSAND KYOTO」など、大小多くのプロジェクトに参加してきました。

今回私たちが参加した「糸プロジェクト」は、建築家 隈研吾氏によるマスタープランを基に、「エネルギー」「テクノロジー」「グリーンインフラ」をキーワードにした、愛媛県西条市の地域創生を目的とした「まちづくりプロジェクト」です。

まちの中心となる施設「ITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)」の企画と運営業務を請け負い、約1年9ヶ月の準備期間を経て今年(2023年)5月27日に開業しました。

「ゼロ・エネルギーのホテルを創る」という新しい価値と、「この地域を次世代に紡いでいく」という社会的な意義に深く共鳴しながら、モチベーション高く仕事に取り組んでいます。

「ゼロ・エネルギーホテル」のコンセプトを伝えると同時に、顧客にとって魅力のあるホテルへ

ホテルには「ゼロ・エネルギー」を実現するため、大きな屋根に設置された太陽光パネルや、西条市の特徴である「うちぬき」を活かした親水広場を兼ねた屋外共有スペースなど新しいアイデアが随所に見られ、それらの挑戦的な取り組みやコンセプトが多くのメディアでも取り上げられて注目されています。

しかし私たちは当初より、「ゼロ・エネルギーホテル」という価値の発信だけにとどまらず、ホテルとして「泊まってみたい魅力」を創りたいと考えています。

それはビジネスの継続性として重要なだけではなく、こだわった内装や料理、また備品一つ一つまでお客様に楽しんでもらうこと、そしてなによりも滞在を通して「楽しむことで記憶に残る時間を提供する」という、私たちが目指してきたテーマそのものだと思っています。

接客サービスの質を向上させて、ホテルのブランドを高めるためのユニフォーム

そこで、スタッフの印象をより良いものにし、お客様にとって魅力のあるホテルにするための重要なツールのひとつとして、オリジナルユニフォームの制作に取り組むことになりました。

ユニフォームを通じてホテルのコンセプトやサービススタイルを発信することにより、スタッフのモチベーション向上やブランディングにつながると考えたからです。

制作にあたり私たちが最も重要視した点は、スタッフがフロントとカフェのサービスをマルチタスクでこなせる機能性でした。

それぞれの業務の動きやサービスの質は異なりますが、そのどちらの業務にも対応できることに、特にこだわりました。

また色合いや生地の質感が、ホテル建物のベースとなっている「伊予青石の青みにインスパイアされたナチュラルなアースカラー」に溶け込んで調和しながら、「糸プロジェクト」が目指している「まちづくり」のコンセプトが感じられるデザインにしたいと考えました。

このような機能性とデザイン性のバランスがとれたユニフォームを作るためには、要望やイメージを具体化してデザインを制作会社に伝える必要がありました。

私自身に、その経験がなかったため、その役割をITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)のOSE選定(※)・企画アドバイザリーを担当している篠永奈緒美さんに「デザインディレクション」を依頼し、私たちと制作会社の「橋渡し」をお願いすることにしました。

(※)OSE(Operating Supplies, Equipment)=ホテル運営に関わる消耗品および設備

マルチタスクに対応する機能性とアップデートされたトレンド感を取り入れながら、さり気なく「メッセージ」を伝えるデザイン(OSE選定・企画アドバイザリー 篠永奈緒美 様)

まずはユニフォームのあり方をゼロから見直し、「コンセプト」「機能性」「デザイン性」「地域性」の4つの課題を整理しながら、GOODTIME社の要望とバランスをとり調和させることを目指しました。

その中でも日本初のゼロ・エネルギーホテルという「コンセプト」は、やはりユニフォーム制作にとって軸になる重要なテーマです。

そこで使用する生地は要望にあったホテル建物や周囲の自然と調和する「アースカラー」がベースの「再生ポリエステル」を使用することで、「環境配慮」のメッセージを発信できると考えました。

また年齢・性別・体型・季節を問わずに着用が可能な、ゆったりとしたシルエットのシャツとパンツを組み合わせたデザインは2種類にしぼり、サイズもそれぞれのデザインに対し2サイズの展開にしました。

「シンプルでミニマム」というと考え方そのものがホテルのコンセプトともリンクしており、プロジェクトのテーマを表現できたと思います。

当初より要望があった「機能性」と「デザイン性」の両立は、難しい課題でした。そこで、マルチタスクを前提としたユニフォームの機能性や着心地と、アップデートされたトレンド感やスタイリッシュなデザインを高いレベルで調和させるためのひとつのアイデアとして、シャツの上に羽織るベストを制作しデザインのアクセントにしました。

さらにシャツの丈をベストより「少し長め」にしてトレンド感を演出したり、機能性を考慮した袖丈の長さなど、細部にこだわりながらデザイン検討を重ねていきました。

最後の課題である「地域性」に関しては、愛媛県が私の「地元」という背景もあり、地元出身だからこそ感じ取れる愛媛の空気感やローカル色を、ボタンや生地の風合いを通して表現することができたと自負しています。

シタテルとはお互いプロとしていい仕事ができ、さらにアイテムの完成度があがった

仕様やデザインの方向性が固まったので、制作の依頼先を決めるためにコンペを行いました。数社に見積りや具体的な提案をしてもらいましたが、提案内容がとても素晴らしかったシタテルに依頼することになりました。

シタテルは企画の意図を的確に、かつ深い部分まで理解しており、サンプルの段階で私たちが思い描いていた以上の製品を仕上げてくれました。

早いタイミングで精度の高いサンプルを提出していただいたことにより、細かいディテールまで検討する時間が生まれ、デザインも妥協せずに完成度を高めることができました。

またこちらの意図したデザインをサンプルとして具現化するだけにとどまらず、そこに新しい提案があった点もシタテルのよかったところです。

制作の最終段階で「いとまち」を象徴する「水」をイメージさせるボタンを袖につけるアイデアは、メーカーの在庫状況まで確認されたリアリティのある素晴らしい提案だったと思っています。

現地にスタッフが常駐し、ホテル運営にも取り組む(株式会社GOODTIME 入部圭介様)

「ITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)」ではコンセプトの立案だけではなく、西条でスタッフを新たに雇用し、ホテルの運営業務まで取り組んでいます。これは、弊社として初めての大きなチャレンジとなりました。

これまで多くのホテル立ち上げやブランディングに携わってきましたが、運営までは行っておらず、私たちが立案したホテルや施設のコンセプトがどのような形で現場に根付いていくのか、体験することができませんでした。

しかし今回の「ITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)」は、現地で採用を行い運営までを手掛けているため、自分たちが作ったコンセプトや運用方法を、実際現場に落とし込んだ経過や結果が確認ができる初めてのプロジェクトとなりました。

楽しみであると同時に緊張感も感じながら、日々仕事に取り組んでいます。

今回多くのプロフェッショナルの方たちの協力を得ながら完成したオリジナルユニフォームは、お客様の評判もよくとても満足しています。

オリジナルユニフォームの制作を通じて、改めて「ITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)」が目指す理想の姿について向き合うことができ、接客スタイルや日常業務など多くの「課題」に気付かされたと感じています。

そして新しいユニフォームを着用したスタッフと、その「想い」や「課題」を共有しながら仕事に取り組むことが、ホテルのブランドに磨きをかけて理想のホテルにつながると思っています。

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