新しいコンセプトを体現するために新調したユニフォームは、 スタッフ自身が納得するまで検討を重ねて制作
株式会社城野
モンブランホテルの運営
目的
- 新しいホテルのコンセプトを体現できるユニフォームを制作
- 着用するスタッフの意見を取り入れモチベーション向上につなげる
結果
- 漠然としていたユニフォームのイメージを、具現化するための提案やプロセスに満足している
- ユニフォームの新調がスタッフの積極的な接客につながった
利用サービス
ビジネスユースとレジャー目的の顧客それぞれに対応可能な、端正でクラシカル、かつスタイリッシュでモダンな印象のユニフォーム
「お客様の“過ごす”を提案するホテル」として、全面リニューアルオープン
株式会社城野は、「モンブランホテル」のブランドでホテルを経営している名古屋の会社で、創業45年(2021年現在)になります。
3年程前に駅前の再開発計画をきっかけに既存のホテルを解体して、ほど近くの場所に「モンブランホテルラフィネ名古屋駅前」(以下、ラフィネ)として新築。2021年12月16日にオープンしました。
今回の移転・リニューアルオープンにあたり、ラフィネのコンセプトを「なごやかstay お客様の“過ごす”を提案するホテル」にしました。
そしてもう1軒の「モンブランホテル名古屋伏見」のコンセプトを「そこに手が届く お客様の“欲しい”を提案するホテル」として、2つのホテルを差別化し、それぞれの特徴を打ち出したいと考えました。
コンセプトを実現するためのさまざまな工夫や仕掛け
新しくオープンしたラフィネは、名古屋駅徒歩3分という好立地で、平日はビジネスユースのお客様の利用が多いホテルです。
しかし、コンセプトにも掲げている通り利便性だけが特徴ではなく、週末のレジャーユースにも対応して「なごやか」に滞在していただくために、ホテル内には今までの経験で培ってきた知恵やアイデアを盛り込みました。
キャッチコピーの「なごやか」には、言葉に「なごや」が入っていてユーモアを感じると同時に「名古屋ならではの空気を感じてほしい」という気持ちを込めています。
インテリアにも「地域色」を出し、名古屋城本丸御殿をモチーフに、シャープでモダンな「和」のテイストで統一しています。また、各所に見られる「竹」を使った装飾は、癒しの空間になっていると自負しています。
ロビーのランプや客室のアメニティは、地元の作家にお願いして「有松絞り」を使い制作しました。
単に地元作家の作品を採用するだけではなく、スタッフにも有松絞りの体験をしてもらい、作品一つ一つをスタッフが実感を持ってお客様へ説明できるようにするなど、お客様と私たちがつながることができる仕組み作りを行っています。
また、スタッフがお客様におすすめしたい「お店」や「名所」をカードにして、情報提供を行っています。
お客様が興味のある情報カードを、リングにまとめて外出できるよう工夫し、スタッフとコミュニケーションができるツールのひとつにもなっています。
お客様に「変わった」「新鮮だ」と感じていただくためには、お迎えするスタッフの意識改革が重要。新しいユニフォームは、そのための重要なアイテムのひとつ
新しいコンセプトを掲げ新規開業したラフィネは、お客様からは、「変わった」「新鮮だ」と感じていただくために、インテリアだけではなくユニフォームも重要なアイテムとして一新したいと考えました。
お客様の印象を変えるには、スタッフの意識を変えることが重要であるため、新調するユニフォームを検討していくプロセスを通じて社内にも新しいコンセプトの浸透をはかりたいという想いもありました。
イメージが固まっていない段階から、コンセプトに合ったユニフォームを具現化してくれる取引先を探していた
新しいユニフォームをどのようなものにしていくか。私たちのイメージがある程度決まっていれば、従来の取引先へ相談することもできたかもしれません。
しかし「スタッフのモチベーションがあがり、今までとは異なる新しいユニフォーム」という要望はありましたが、具体的なデザインについては、はっきりとしたイメージはありませんでした。
そのため、私たちのコンセプトや思いを理解していただき、それをユニフォームに具現化できる取引先を探していました。
シタテルを知ったのは、インターネットで見つけ、ブランディングのセミナーを受講したことがきっかけです。
大きな会社から小規模な顧客まで実績も豊富で、新しい発想が期待できる、と思い相談しました。
最初はこちらのイメージが本当に伝わっているのか少し不安もありましたが、オンラインでの打ち合わせを重ねるうちに、シタテルから私たちの求めていた提案があり、そこからは安心して話を進めることができました。
「洗練(ラフィネ)された」接客をするためのユニフォーム制作を目指す
私たちのホテルは、リゾートホテルではありませんので、カジュアルなユニフォームでは方向性がずれてしまいます。一方で、堅苦しいデザインになることも避けたいと思っていました。
目指したのは、端正でクラシカルだけど、おしゃれでスタイリッシュなデザインです。
今回、とくに女性スタッフからさまざまな意見や要望が積極的に出ました。そこで社内アンケートを実施して、広く意見を募ったり、数名のメンバーには打ち合わせに参加してもらうなど、本人たちが納得いくまで検討を重ねました。
シタテルには、サンプルを貸し出してもらうことができたので、業務が終わったあとに試着をして検討を重ねました。
このように、現場のスタッフが主体的にユニフォーム選定に関わるプロセスは、自分たちが決めたユニフォームとして愛着も湧きますし、コンセプトの共有という観点からもとても重要だったと思います。
ぼんやりとしたイメージを、アパレル制作の専門家が納得のいく「形」にしてくれた
デザインと仕様の決定までは、シタテルの提案をもとにして納得いくまでこだわり、社内で何度も検討を重ねました。
その結果、今回新調したユニフォームは、既製品とカスタムオーダー(※)の組み合わせになりました。
※ファッションデザイナーによって企画・デザインされたユニフォームを、顧客のコンセプトや要望に合わせて自由にカスタマイズするサービス)
フルオーダーによるオリジナルデザインの制作も考えましたが、スタッフの入れ替わりやメンテナンスのことを考えると、追加発注がスムーズにできる既製品の選択となりました。
しかし、カスタムオーダーと組み合わせたり、提案していただいたコーディネートを活用することで、オリジナリティの表現ができました。
自分たちのコンセプトやイメージに合ったものを少しずつ形にしていき、納得して制作したユニフォームなので、スタッフも愛着を持って着用し仕事に取り組んでいます。
オープン後間がないので、お客様の反応を含めて現時点で今回のユニフォーム制作が成功しているのかどうかは、正直言ってまだ判断できません。
しかし、スタッフが生き生きと働き、積極的にお客様とコミュニケーションをとっている姿を見ていると、ユニフォームを新調したことが、目指すホテルの姿に近づくための一助になっていると思います。