事例

大手メディア企業の社員自身によるリブランディングが結晶した、 社員全員への贈り物

株式会社TBSテレビ

【新しいブランドロゴについて】

2020年4月から運用を開始した企業ロゴは、ブランドプロミスからFutura“未来”という意味をもつ書体をベースに選び、シンプルかつ完璧なかたちを目指した。また、TからSへつながる66.6度のラインは、放送を軸にしながらも新しい領域や未来へ伸びていく意志を、23.4度は地球の地軸(傾き)の角度であり、世界を意識しコンテンツ・サービスをつくるという意志を込めている。


そして、TBSブルーの選定は、モニター上の基準値RGBに重きを置いて、より強く鮮やかな青を目指し、フレッシュで爽やかでありながら、海のように深くて地に足ついた普遍的な青を探した。


https://www.tbsholdings.co.jp/about/brand.html

総合プロモーションセンター 松原 貴明 様
デザインセンター 桝本 瑠璃 様
デザインセンター 三嶋 さつき 様

目的

  • ブランドをグループの全社員に理解してもらい、浸透させるためのツール
  • 単なる記念品を超えた、思いのこもった価値を持つバッグにする

結果

  • ブランドを深く理解した期待以上の企画提案を受けた
  • 製作プロセスと仕上がった製品には満足している

利用サービス

新しいロゴが入ったシンプルなデザインのビジネスバッグには、
「最高の“時”で、明日の世界をつくる。」というブランドプロミスが詰まっている

TBSグループのリブランディングは、社員自身によるボトムアップ型のプロジェクトで進行

これまでTBSは、ブランドロゴや企業理念(ブランドプロミス)が曖昧でした。ロゴやシンボルマークが多種多様に使われ、社内、社外に点在し統一性にも欠けていました。

また、市場調査でも生活者から「企業イメージが希薄」との結果が出ていましたので、もう一度企業理念の再構築を含めたロゴマークの刷新をすることになりました。

2015年に60周年プロジェクトとして社内にブランディングプロジェクトが発足。組織横断型のチームで、社員一人ひとりがブランディングをいかに「自分ごと化」できるかを大きなテーマに、トップダウンではなく、社員の声を反映させながら活動を進めました。

その方針を認めて自由に活動させてもらったことで改めて会社の良さを再認識できましたし、ブランディングプロジェクトのひとつの意義だったと思っています。ブランドプロミス(企業理念)は「最高の“時”で、明日の世界をつくる。」に決まり、社員一人ひとりが最高の時を常に意識して仕事をする志を掲げました。

ブランドを全社員と共有するために「プレゼント」という形で思いを発信。
それを「何で包む」かは、プロジェクトの仕上げという観点からもとても大切なことでした

全社員がブランドプロミスを深く理解するために、インナーブランディングとしてビジネスグッズを製作しました。グッズに落とし込むことでブランドを「自分たちが決めた事」として身近に感じて、愛着を持ってもらう意図があります。

グッズの内容は色々と悩みましたが、社員証やボールペンなどのビジネスツールを中心に、TBS仕様で特別に製作した「ほぼ日手帳」。さらにロゴマークのフォントステッカーなどを製作しました。

ほぼ日手帳はTBSブルーのカバーや本体の編集など、細部にこだわっており、人気ブランドの手帳でありながらも社員手帳として機能させ、グループ社員の一体感や「最高の“時”」を記すブランドを体現するツールとして大きな役割をもたせました。

自分たちで考え形にしてきた思いのこもったグッズを配る時に、やはり「ただの紙袋」では納得がいかず、最後の仕上げとして「包むもの」にもこだわりたい気持ちはありました。当初社内では風呂敷案があり、それを軸に製作してくれる会社を探していました。

SDGsの考え方を入れた素材の提案は、思ってもみない切り口で正直驚かされました

そんな中「こちらのリクエストをそのまま形にしてくれるだけじゃなく、それを元に様々な提案をしてくれる面白い会社がある」との情報があり、シタテルに声掛けさせていただきました。シタテルとは初めての取引でしたが、当初より今回のブランディングに対する理解が深く、私達の思いを形にしてくれそうでしたので、当社の考え方の背景をしっかりとお話しした上でご相談させていただきました。

最初に頂いた提案内容が素晴らしく、持続可能な開発目標(SDGs〈エスディージーズ〉)を意識した染料を使ったバッグの提案など、ブランドコンセプトを素材の意味から表現した切り口には正直驚きました。TBSとしても、時間も予算もかけて行っている大きなプロジェクトなので、手渡すグッズ一つ一つの素材やデザインにもこだわり、思いを込めてコンセプトを表現したいと思っていました。

シタテルはその思いをきっちりと汲み取り、企画やデザインに落とし込んで提案をして頂けたところが非常に良かったです。
また、社内のクリエイターとの波長も合い、アイデアのキャッチボールが上手くいきました。

今回シタテルへお願いした一番の理由は、「こんなモノ」を作りたいというイメージは持っていた私達に対し「こういうものは、どうでしょう?」だけではなく、それには「こんな意味」があります、という一歩踏み込んだ提案をして頂けたからだと思っています。

記念のグッズで、ブランドイメージを社員で共有。
社員の思いがこもったブランドだからこそ、引き続き育てていくための組織も作りました

最初の「風呂敷」案から検討を重ね、最終的にはパソコンも収納できるこのシンプルなバッグになったのですが、結果的にはプレゼント全体がビジネスツールで統一されているので良い選択だったと思います。

デザインに関しては、シタテルと打ち合わせながら進めました。

社内的には、バッグの色をブラックにしようなど様々な意見がでましたが、最終的にブランドコンセプトのフレッシュさを表すホワイトになったことで、汎用性もありとても良かったと思っています。

裏地はTBSブルーに近い生地を選び、バックを開けるときにブランドプロミスがさりげなく見えるアイデアも取り入れました。

最近リモートで仕事をする機会が増えていますが、パソコンの持ち運びにこのバッグを使っている社員を見かけると、バッグを通じてTBSグループ会社3.000名以上の社員とブランドの意識共有ができる「種」を蒔いた事を実感でき、製作に関わった人間としてはとても嬉しいです。

ブランドを立ち上げて終わりではなく、今回作ったブランドを引き続き発展させていこうという意識を、グループ会社全体で共有することができました。また、この7月には「総合プロモーションセンター」という、会社全体のブランドを所管する部署ができ、デザインセンターとともに引き続き活動を続けていくことになりました。

今回シタテルとは、とても良いお仕事をさせていただいたと思っています。別件も相談させていただいており、今後もお互いのクリエイティビティをぶつけ合いながら、単なる「発注者」と「業者」の関係を超えた、良いものを作るパートナーとしてお付き合いできることを期待しています。

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