sitateru

導入事例

CASE

事例一覧へ戻る

コロナ禍の中で私の役割は、 個々の「想い」をつないで「カタチ」にすることでした

ONE PROJECT

軍地彩弓氏を代表発起人に、日本のファッションに携わる会社、デザイナー、クリエイター、
編集者、スタイリスト、 ヘアメイク、モデル、インフルエンサーの人々とともに発足したプロジェクト。

医療用防護服を国内生産して医療現場に届ける活動を始める。

https://readyfor.jp/projects/one-project

代表発起人 軍地彩弓 様

課題

  • コロナ禍で、どのように社会貢献するべきか模索していた
  • ファッション業界での経験やネットワークを生かしたい

目的

  • 供給が足りない医療用防護服を生産して届ける
  • 国内で制作することで、コロナ禍で仕事が減った縫製工場に貢献する

結果

  • 目標金額が達成されクラウドファンディングが成立
  • 国内で品質の良い防護服を生産し、医療現場に届けられた
  • 活動を通じて様々なネットワークがつながり、今後の活動に活かせる

生産したアイテム

・アイソレーションガウン(医療用防護服)

コロナ禍の中で私の役割は、個々の「想い」をつないで「カタチ」にすることでした

class=

自分にできることを考え行動に移した時、周囲の歯車が回りだしました

コロナ禍が広がり、私が仕事をしているファッション業界も様々な影響が出始めました。

何をするべきかわからないまま事態を呆然と眺めていたのですが、友人から「政府がマスクや不足している医療用の防護服を調達しようとしている」という話しを聞きました。その情報をきっかけに、自分たちに何ができるかを考えるようになり、少しずつですがその「想い」を周囲の方と共有していきました。

そんな中、業界でご活躍のファッションデザイナーの丸山敬太さんや友人でモデルの冨永愛さんなど多くの方から、アイデアを行動に移す勇気をもらい、話し合いを重ねた結果、自分たちが仕事をさせていただいているファッションで「できることをやる」いうことになり、医療用の防護服を作り届けることになりました。

制作を検討していた時、真っ先に浮かんだのがシタテルの河野社長です。連絡すると、河野氏も同じことを考えていて、ぴったりのタイミングでした。

早速、クラウドファンディングを使い資金を集めることになり、期間や金額、また制作のプロセスや製品の届け先などを具体的に決めていき、プロジェクトの輪郭が少しずつ見えてきました。

医療現場の役に立つと同時に、生産工場のためにもなるプロジェクトにしたい

ここでひとつ大きな問題になったのが、「国内と中国のどちらで制作するか」ということです。

国内生産はコストは上がりますが、「コロナの影響で仕事が減った国内工場に依頼できる」という大きな意義も生まれます。

当初は医療現場に対する支援から始まったこのプロジェクトですが、国内工場の仕事が減少し、現場の疲弊が表面化する中、大きく言えば「日本のものづくりの危機」とも言える状況になっている現実も見えてきました。

最終的には、国内で生産し届けるという「医療現場も縫製工場もどちらの助けにもなる」選択をすることになりました。

仕事の本質を再認識して、活動を通し「しっかりとメッセージを伝える」ことが重要

アイソレーションガウン(医療用防護服)は、使い捨てのため、安いものをより多く医療現場に届けた方が良いという考えもありましたが、日本の工場から届いた試作品を見た時にその考えはなくなりました。

試作品として仕上がってきたものは、細部のディテールにまで気をつかって、きっちりと作られていたからです。

単純な物資の支援だけではなく、質の良いものを届けることが私達の「想い」を届けることになるという意味において、品質面のこだわりは非常に重要なところでした。

私たちがこの業界で仕事をしている中で大切にしていることは、「良いものを身に着けることで得られる気持ちの充足感」です。
そのコアな部分、言うなれば仕事の矜持を守った上で活動をしなければ、「私達が支援をする意味」も半減してしまうと感じたのです。

「不要不急」がスローガンになり、消費だけではなく日々の潤いが縮小していく中、「ファッションの火」を絶やさないため、そしてファッションがもっている意味をしっかりと伝えるためにも、国内で丁寧に作った防護服を医療現場に届け、現場の方が急いで着替える時に引っかかりがなくスムーズに着ていただくためにも、品質の高いものを制作することが重要でした。

気持ちを具現化できるそれぞれの分野の「プロフェッショナル」がいたからこそ、「想い」がカタチになる

防護服を国内で丁寧に作って医療現場に送りたいという「想い」を形にするためには、洋服作りのノウハウを持ち国内の生産拠点をネットワークしている会社が必要でしたが、その「想い」を形にできたのは、やはりシタテルのおかげでした。

このような活動はスピード感も大切な要素になりますが、シタテルはトップである河野氏がフットワークよく、対応して頂けたこともプロジェクト推進の大きな力になりました。

また、シタテルは工場と直接つながっているため、こちらの意図が現場に素早く伝わったことも大きな要因です。

もし、この企画を大きなアパレル企業に持ち込んでいたら、色々なしがらみがあり、違う展開になっていたと思いますし、スピード感も失われていたかもしれません。

シタテルが企業として掲げている「日本のものづくり支援」というイシューがチャリティーとの親和性が高く、私たちの純粋な気持ちが活動に直接つながったことはとてもよかったです。

業界以外の様々な方にメッセージが届き目標が達成され、同時に感謝されることの喜びを感じました

旗振りをするようなことが得意ではないのですが、今回は意を決して発起人になりました。それは、私自身がリーダーシップを取って何かをするというより、発信力のある方が私の周りに多くいるため、その方たちをつなぐ一種の「ハブ」になればよいと思ったからです。

名前は「ONE PROJECT」と名付けました。

最初は、ごく近い方々と「想いの共有」から始まったこのプロジェクトでしたが、クラウドファンディングの結果、目標金額600万円に対し、支援者数370人・支援総額789万円となり、成功を収めることができました。

ファッション業界以外の団体や個人からも多くの寄付をいただくことができ、輪が広がっていったことは本当に嬉しかったです。
参加者からの言葉で印象に残っているのは「何かやりたいと思っていましたが、どう行動すればいいのかわからなかった、このような『場』を作って頂きありがとうございました」という感謝でした。

こちらがお礼を言う立場だと思って行動してきましたが、応援してくださった方々からそのような言葉をいただけたことには、本当に深い思いやりを感じました。全く関わりのなかった個々が集まり、行動を起こし、目標が達成されたことは「ONE PROJECT」の名前の意味を、改めて感じさせてくれました。

「ONE」には一人ひとりの『個』という意味と、同時に大きな社会をひとつの単位で捉え『全体』としての「ONE」と2つの意味が同じ次元で共存していて、互いに影響し合いながら社会が良い方向へ進んでいく、という想いを込めて名前をつけました。私の周りの小さな「ONE」が繋がり一つの力を持ったより大きな「ONE」になった時に、医療現場や縫製工場の役に立てたことは、まさに名前に込めた「想い」が実現できたと思います。

アパレル業界のオープンソース化が、日本のものづくりを救い発展させる

自らが中心となっての社会貢献活動は初めてでしたが、活動を通じてファッション業界や日本の「ものづくり」産業全体について考えるいい経験ができました。

長年に渡って通用してきたファッションのサプライチェーンは、中間業者が多く存在します。その中で、本来ならば一番リスペクトされるべき生産者や技術者の方々が社会的にも金銭的にも正当に評価されていないのではないか。ここ最近は、そのような思いを強く感じておりました。

例えば「下請け」というワードはその象徴で、作り手と売り手に上下関係があるように聞こえてしまうことにも違和感がありました。

更にコロナ禍において、ものづくりの素晴らしさをより強く意識するようになり、改めて、技術力や能力を持っている所がきちっと評価される仕組みを作らなければいけないと思っています。

発注側も生産側も同じフィールドで、できるだけダイレクトにコミュニケーションして、ものをつくっていく環境が重要です。
ものづくりやそれを支える技術に対して正当な対価を出し産業を育てていく仕組みこそが、日本のものづくりを発展させることになると考えます。

そのような意味でも、シタテルの生産現場のネットワーク作りには期待しています。
私も、「ONE PROJECT」を継続させて、業界や地方など少しでも社会の役に立ちたいと思っております。